新年のごあいさつ

新年あけましておめでとうございます。

ご関係の皆さまには、昨年中も大変お世話になりました。皆さまに「元気」をお届けできるように、役職員一同心を揃えて職務に従事してまいります。本年もご支援のほど宜しくお願い申し上げます。

年頭に際し、当会広報誌『ようそろ』新年号より、西能理事長の巻頭言を以下に掲載し、皆さまへのご挨拶に代えさせていただきます。


どーする 三方ナシの医療界

謹賀新年 謹んで新春の寿ぎを申し上げます

最近心が躍った瞬間といえば、もちろんカターレ富山がJ2残留を決めた最終戦の話になりますが、昨年の本記もカターレ賛歌に終始していたので、年頭に際して少しは本業のことも考えねばなりません。しかしながら医療界は暗澹たる現状です。病院は全国どこも経営難で、国の財政にもゆとりはなく、現役世代も社会保険料の負担が増すばかり。三方ヨシ、ならぬ三方ナシの惨状ですが、嘆いていても状況は好転しそうにないので、以下、医療経済の目線から着眼点を示してみようと思います。

▶2024年の消費者物価指数は対前年2.7%上昇、2025年は3%上昇の見込みである。一方、同期間の診療報酬の改定は0.88%(賃上げ原資を除くと0.46%)の見直しに留まった。2022年の改定でも0.43%しか引き上げられていない。診療報酬は隔年改定なので単年の上昇率はその半分。つまり医療の値段は、ここしばらくは年率0.2%程しか上がっていない計算になる。

▶医療の受益者は老人で現役世代は負担するばかり、高齢化が医療を圧迫しているという論調が方々でまかり通っているが、医療費を増大させている第一要因は医療の高度化である。画期的な新薬やロボット手術が実用化され、これまで挑めなかった治療に高額の費用が投じられる。予防医学や診断技術の進歩で従来は見過ごされていたはずの病気の治療ニーズが拡大する。これは本来、負担ではなく世代を超えた福音のはずではないか。

▶日本の国民負担率(税+社会保険料)は46%。財源の一部を国債で補ってきたため、諸外国と比較して「中福祉・低負担」の水準で推移してきた。直近の負担率は中程度まで上昇したが、公共サービスの負担が「重い」という指摘はミスリードであり、少なくとも統計とは異なる。安かろう良かろうでは続かない。

▶医療サービスは、コスト(プライス)×アクセス×クオリティの3要素で構成される。どれを重視するか、或いはどれを諦めるかの選択によって各国の保険制度が形作られる。米国や東南アジアの医療はコスト、英国はアクセスを諦めたモデルとされている。米国では貧しい人々は高度な医療を受けられないし、英国では標準治療を受けるのにも長い待ち時間が当たり前である。一方、日本はこの3つをどれも諦めないため、半ば破綻的にアクセスが悪化、次第にクオリティにも危機が迫りつつある。

これからの医療を展望するには国民的議論が必要だと言われますが、まずは現実を直視すべきとの思いから、やむにやまれず正月早々耳障りな記述となったことをお詫びします。

新しい年の皆さまのご健勝とご多幸を祈念し、本年も五省会へのご支援をどうぞ宜しくお願い申し上げます。

令和8年 元旦

医療法人財団五省会
理事長 西能 淳

お知らせ一覧へ