新年のごあいさつ
新年あけましておめでとうございます。
関係の皆さまには、昨年中も大変お世話になりました。新しい年も新型コロナウイルス感染症への対策が大きな課題となりますが、役職員一同心を揃えて、皆さまの安全を最優先に職務に従事してまいります。本年も変わらぬご支援のほど宜しくお願い申し上げます。
年頭に際し、当会広報誌『ようそろ』新年号より、西能理事長の巻頭言を以下に掲載し、皆さまへのご挨拶に代えさせていただきます。
丑
今年の干支は十二年ぶりに丑である。年男を迎えるにあたり、雄々しく新年の抱負を掲げて景気を付けようと思うのだが、どうにも意気が揚がらない。
十ヶ月前、中国の武漢という勇ましい名前の町で新種の感染症が拡がっているという報道が出たとき、ふと思い出したのは、大学時代の講義で「20世紀は戦争の世紀だったが、21世紀はウイルスの世紀になる」という不穏な一説を聴いたことだった。あれはいったい何の授業だったのだろう。
若きキャンパスの光景を思い返すことはしても、ひと月かそこいらで自分の日常にその脅威が押し寄せてくるなどという事態は、まさか想像すらしない。武漢から富山まで、それは本当にやってきた。
理屈で説明されても、人の腑には落ちないものだ。「正しく恐れる」という専門家が発するフレーズも、的を射ているようではあるが、他の人のやり方を見るにつけ、それがほんとに正しい対策なの?と疑いたくなる。正解が欲しくなればなるほど、寛容さを失う。あれからこっち、万事がそんな調子である。
そうやって私たちは、この日常を生きている。しなやかに、とまでは言わないが、現実を見定めようとし、周囲の人たちに気を配ろうとし、理解したいと悩みながら、事態に適応しようとしている。
解するのではなく適する。目に見えない脅威を前にしては、誰しも、理解することなどできず、ただ適応するしかない。それが本当のところだし、それでいいのではないか。この頃はそう思い始めている。
謹賀新年 あけましておめでとうございます。
丑は、泰然と現状を耐え抜く牛のイメージとともに、その文字は、殻を破ろうとする命の息吹き、希望の前触れ、を意味しているそうです。
皆様のご健康とご多幸を心より祈念するとともに、本年も五省会をどうぞよろしくお願い申し上げます。
令和三年 元旦
医療法人財団五省会
理事長 西能 淳