2024年5月、北陸初導入となる内視鏡手術を当院にて実施しました。
現在アジアを中心に脊椎手術の主流になりつつあるUBE(Unilateral Biportal Endoscopy)という術式です。
これまで広く普及してきた術式と異なり、内視鏡を挿入する孔と手術機器を挿入する孔を別々に設置する2孔式で行うことで、手技の操作性を高め、より安全に手術を施行できるメリットがあります。
下記、執刀医である西能健医師のコメントです。
「2019年に韓国で報告されアジアを中心に進歩拡大している脊椎手術の新たな低侵襲手術 UBE(ユービーイー)/BESS(ベス)の技術を導入すべく、研修会参加、手術見学・トレーニングを経てきました。北陸では初導入となります。
脊椎手術は日々進化しておりますが、一般的に行われているものとしては、従来の皮膚切開で行う除圧術や固定術、1998年より本邦で開始された内視鏡手術 MED/MEL、さらには経皮的脊椎手術 PED/FESS などが挙げられます。UBE/BESSはこれらの術式とは別の考え方による低侵襲内視鏡手術です。
(UBEは、unilateral biportal endoscopic spine surgery、BESSは biportal endoscopic spine surgeryの略称であり、2つは同じ術式を意味します。)
既存の内視鏡手術は1つの小さな皮膚孔からすべての操作を行いますが、UBE/BESSでは、2つの小さな皮膚孔を用いて手術を行います。本術式のメリットは多彩であり、術中視野(カメラ画像)がより精細で正確な術中評価が可能となる点、両手を用いて手術器具をスムースに、自在に使用できる点、脊椎を多方面からアプローチできる点、またヘルニアや脊柱管狭窄症の手術はもちろん、変性が高度な症例に対する脊椎固定術にも応用できる点などが挙げられます。
ただし、手術治療は安心・安全に提供できなければなりません。本術式はすべての症例に対し均一に適応・応用できるものではないため、症例に応じた最適な提供の判断が求められます。
今後もさらに患者さんにより負担が少なく適切な治療を提供できるように努めてまいります。」