新年のごあいさつ

謹賀新年

今年4月、五省会は1979年の医療法人開設から数えて第40期の事業年度を迎えます。孔子の論語でいう「不惑」の年です。
四十にして惑わず、というのは、人は四十年も齢を重ねれば、分別もつき、大概のことに動じず迷わないで生きていくものだ、という意味で広く解釈されています。

ところが、一部の研究によると、孔子の時代には「惑」という文字がなかったので、これは「或」という文字とまちがえて伝承されたのではないか、という異説もあるのだとか。
「不或」の場合、「くぎらず」という意味となり、すなわち、四十にもなると色んな世情に通じて物事への対処が画一的になりがちだが、そんなことではいかん、何事もくぎらず、まもらず、ニュートラルな姿勢で臨み続けなさい、という、まるで正反対の意味合いを帯びてしまうというのです。

往々にして、歴史や美談といったものには、正面から見ると白く見えていたのが、裏側から覗くと黒く映った、などということが起こりがちです。同様に、今、必要なこと、善いこととされていることが、十年後、百年後の未来においてもそうであるかは不確かなようにも感じられます。

不惑と不或。はたして、どちらが正しいのか。などと思い悩んでいる時点で、今年四十五歳となるわたくしは到底「不惑」の心境に達しておりませんが、これから始まる新しい年は、十年後、二十年後の社会を展望しつつ、未来に資する仕事をしたいと願うものです。

2018年も五省会をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 平成30年 元旦

医療法人財団五省会
理事長 西能淳

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